優子さんがこの女将さんに会えたことは、本当に幸せなことだったんだ。


 俺は女将さんの真剣な眼差しに負けないよう、真っ直ぐ女将さんを見た。





「他の誰でもない、俺が彼女を幸せにしたいんです。

 正直、また泣かせてしまうかもしれない。でもその涙は嬉し涙であるように、俺が彼女のそばで守っていきたい。


 ……今まで彼女を支えて下さって、本当にありがとうございました。

 彼女を迎えに行かせて下さい。

 お願いします」



 深々と頭を下げた俺に、女将はまた盛大な溜息を吐いた。



「……娘を取られる気分だわ…」