俺の言葉に、何かに気づいた女将は彼女と俺を交互に見る。 「……やめて。お願いだから……放して下さい」 尚も引き離そうともがく彼女に、怒りは頂点に。 「――いやだ。絶対に放さない」 俯いていた顔を勢い良く上げて俺を見る彼女に、俺は今一度、 「絶対に、離さない」 ―――もうあんな想いをするなんて御免だ。 今度こそ本当に、離さない―――…。 .