愛する人。





「お久しぶりです。

 元気でしたか?」


 俺が笑顔で話しかけると、先程までの緊張した顔が少し和らいだ気がした。



「久しぶり。私は元気だったよ。
 蓮くんも……元気そうで良かった」



 最後はいつもの笑顔で答えてくれた。


 それだけで、全身の緊張が和らいだ。




「この旅館に泊まってるんですか?」



 俺の質問に、困ったように眉を下げる。




 彼女は少し考えて、


「……この旅館で働かせてもらってるの」