庭に出て少し歩いていると、雲に時々隠れていた月が明るく辺りを照らした。


 日本庭園がゆっくり明るく照らされて、あまりの幻想的な空気に足を止めた。




「……キレイだ…」



 無意識に言葉に出るほど美しい景色。

 小さく咲いている花に、影が出来る。


 その小さな姿を見つけた時、海斗の言う通りここに来て良かったと、心から思えた。





「………」



 ……話し声…?




 俺以外にもこの庭を散策してる奴が居るんだと、気にとめなかった。