「お腹空いてるよね!
 すぐ用意」


 する…と言う前に、左腕が何かに引っ張られ。


 気付くと、蓮くんの腕の中だった。



「――!? あ、の…っ」


 何が起こったのか分からず抜け出そうともがくけど。

 蓮くんの両腕で完全に抱き締められてる私は、抜け出せるはずもなく……。

 頭上から、蓮くんの言葉が降ってきた。



「……泣きたい時は、一人で泣かないで…?」





 私は、泣いてた。



 言われるまで自分で気付いてなかった。