愛する人。





 その姿を見て海斗はニヤリと笑うと、俺を見て、


「明日は仕事休みだよな。
 よし、蓮も一緒に一泊するぞ!」



 それだけを言い残し、彼女を連れてどこかへ行ってしまった。




「なにを勝手な…」



 立ち去る姿を見ながら、海斗は言い出したら実行する性格なのを思い出し、一際大きな溜め息で自分を慰めた。



 ……温泉か。久しぶりだし、まぁ悪くないかな。


 たまにはゆっくり過ごすのもいいか、と自分を納得させ、みんなが居るところまで歩き始めた。










 ……この時の選択が間違いではなかったと。


 海斗と……特に麻由美さんに、心から感謝する日が来ることなど、知る由もなく―――。