「――優子さん!」 声に振り向くと。 表情の無い蓮くんが居た。 「お…おかえりなさい!」 呼ばれて気付けば、すでに日は落ち部屋は暗い。 「ごめんっ 電気…」 電気を付けようと蓮くんの横を通り過ぎようとした。 「……優子さん」 不意に呼ばれて横目で蓮くんを見る。 やっぱり表情は無い。 暗闇のせいか、少し怖い。 「ごめんなさい。桜に見とれちゃって…」 苦笑いを浮かべながら蓮くんに答えた。 .