愛する人。





 海斗がいなくなり、麻由美さんも友達の所へ行くと思っていたら、何故か、俺のそばに居続けた。



「俺のことはいいから、友達の方へ行ってきたら?」


 気を使ってるのかと思ってそう言うも、彼女はソワソワ落ち着かない様子で立ち去らない。




「………もしかして、何か話があるの?」



 俺の質問に、彼女はバッと顔を上げると、大きな目をさらに大きくして俺を見つめた。



 ………正解か。




「あの…っ ……これは、言っていいのかどうなのか、私たちでは判断しかねるんですが…」



 ゆっくり、ゆっくり、彼女は言葉を続ける。


 まだ話の核心に触れてないからか、俺は探り探り聞いていった。