「人の奥さん口説くのやめてくれない?

 ちなみに、もう木崎じゃないし」



 隣で海斗が彼女の腰を引き寄せながら、呆れ顔で俺に向いた。





 そう――。


 あれから海斗は強引にアタックし続けて、見事、木崎さんを手に入れた。


 俺の中で堅物のイメージしかなかった彼女は海斗の手によって、意志の強い、恥ずかしがりやで可愛いらしい女性のイメージに塗り替えられた。




「麻由美さん、海斗が何かやったらすぐ俺に言ってね。

 いい弁護士紹介するから」



 ニッコリ王子スタイルで微笑むと、彼女は頬を赤らめた。