ピピピピッ……ピピピピッ……




 携帯から鳴り響く着信音。


 俺は大きく息をすると、枕元にある携帯を取った。



ピッ

「……はい…」

『悪い、寝てたか?』


 毎日聞いてる声が、機械を通して俺の鼓膜を震わせる。



「海斗か。何かあったか?」


 ベッドから出てそのまま寝室からリビングへと移動する。

 リビングの扉を開けると、まだ、彼女の匂いがした。




『何かっていうか……

 俺、惚れたかもしれない…っ』