愛する人。



――レンside.





 優子さんは、目に入る全てに感動してる。



 俺はその姿を見ながら、愛しくて。


 今すぐ連れ帰ってどこにも出さず、愛して、愛して――…



 ……出来たら、どれだけ幸せだろう。






「ねぇ!見て!すごく可愛いっ」



 小指の先ほどの小さなフグらしき魚を見て、俺に呼びかける。


 その可愛い姿に、自然な笑みが生まれる。



「本当ですね」


 優子さんが立つすぐ隣に並ぶと、彼女は俺の袖口をそっと握った。