愛する人。




「なっ何言ってるの!」


 子供達の声に我に返った先生は、「すみませんっ」と言いながら子供達を連れて行った。



「せんせぇ、ダメだよ?あのおにいちゃんは。

 あのおねえちゃんがだいすきなんだから」



 あきらくんが私達に向かってバイバイと手を振り、走って行ってしまった。



 あきらくんの言葉に先生は私を見ると、「すみません!」とまたまた深く頭を下げ、勢い良く立ち去った。


 嵐が去ったようなこの静けさに、しばらく二人口を開かないで居たけど、


「…行こうか」



 彼の言葉に小さく頷いて、また、手を繋ぐ。



 ……やっぱり蓮くんはモテるんだな。



 そんな事を考えながら。少し複雑な気持ちになっていた。