愛する人。





 蓮くんの言葉に、男の子はチラリと後ろを見た。

 何人か女の子がいるから、きっと、あの中にあきらくんの好きな女の子が居るんだろう。




「あ、る。てをつないだりする」



 そう言った彼に、さらに笑いかける蓮くん。




「大好きな子と手を繋げると、幸せだよね?
 お姉さんもね、僕を大好きでいてくれるんだ。

 だから、僕はすごく幸せなんだ」



 ……蓮くん。



「大好き過ぎて……ほっぺたにキスしちゃったけどね」


 ペロリと舌を出す蓮くんに、つられて男の子もクスクス笑い始めた。



 そして―――



「ぼくはね、ももぐみのうえはらももかちゃんがすきなんだよ」


 蓮くんに内緒話をするように、耳に小さく囁いた。