愛する人。





「おはようございます」



 社長室に入るとキレイな女性がノックをして入ってきた。


 蓮くんのデスクにコーヒーを、ソファーに座る私に紅茶とクッキーを出し、そのまま出口に向かう。

 ……私を睨みつけながら。




 ――私が何したって言うのっ!


 蓮くんはお仕事モードで書類から目を離さない。

 邪魔出来ない私は、大人しく紅茶を一口飲んでイライラを落ち着かせた。







「時間だ」


 大きめなノックと共に海斗くんがキッチリ10分で迎えにきた。