12月、雪のちらつく灰色の空の下。



 海岸沿いを歩く砂浜の足跡は、私だけ。





 そりゃそうだよね。


 こんな寒い中そうそう海には来ないよ。




 家から電車で一時間。


 海が見たくなり勢いで来てしまった。

 時刻は13時。
 人一人いない中で、私は海を眺めてる。







「……明日からどうしよう…」






 呟いた言葉は


 風と波の音にかき消された。