愛する人。






「これが、俺があなたを初めて見たときの話」



 優子さんは俺の話を静かに隣で聞いている。


 俺は昔に想いをリンクさせるように、瞳を閉じた――…



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 俺が中学1年生の頃。

 毎日のように年離れた兄と一緒に帰るため、塾から直接兄のいる病院に顔を出していた。



 そして、今日もいつものように研修医の兄を探していると、ある程度同じ場所に居るためか、すぐその姿を見つける事ができた。



「―――兄さん!」