「ねえ、優子さん。

 ……本当はどこに行ってたの?」



 俺の一際低い声に、彼女は息を詰めながら俺を見た。




 ああ……彼女は、



「……話を、聞いたんだね…」




 鳥籠の鍵を、


 見つけてしまったんだ。




「あ…の、」

「……ごめん」



 言葉を紡げなくなってしまった彼女へ、謝る事しか出来ない俺。


 目を見開いて俺を見る彼女に、俺はただ、話し続ける。