我が親友ながら痛いとこ突いて来やがる……。



 そう。親父はともかく、お袋は気付いた。


 ……彼女に。





 帰りに優子さんが受け取った母さんの名刺。

 表情は見えなかったけど、病院名を見て気付いたと思う。



 ……きっと、母さんに連絡する。





「……ん、………蓮!」
「!?」


 海斗の呼び声に気付くと、


「はぁ…。何やってんだよ。
 もう会議終わってるぞ?」


 呆れてる海斗を横目に視界を広げると、すでに会議室はガランとしていた。