愛する人。





「蓮は小さな頃からここを出入りしていたわ。
 年が少し離れた兄が居てね。その子が研修医でここに来てからはしょっちゅう会いに来てた」


 手元の紅茶を口に入れながら少し休憩して。



「……その時に、あの子は……蓮は『彼』に出会ったの」


「………っ」



 私は、息を呑んだ。




「この病院に入院していた『金子 裕太』という男の子。

 その子にすっかり蓮は懐いてね。病院に来ると、蓮は必ず裕太くんの病室に遊びに行くようになってたの」



 昔を懐かしむように、目を細めて遠い場所を見てるお母さん。



 私は、頭が混乱していた。


 蓮くんと面識あったのは、私じゃなくて裕太だった事に。