愛する人。






「……何から話しましょうか……




 そうね…。

 金子、裕太くん」



ドキンッ


 私の動揺など無視するように。

 お母さんは私を見つめたまま表情を変えずに『彼』の名を告げ、話を続ける。



「その前に。
 もうすでに分かってると思うけど、蓮の父親の病院なの。ここは」



 ……そう。それはもう、名刺をもらった瞬間に気付いていた。


 ここ、『九条医療センター』は蓮くんのお父さんとお母さんの病院なのだと。