愛する人。






 昔何度も通った自動ドアを入り、受け付けで名を告げると、部屋まで案内された。


 中に入ると、乱雑に書類なら医学書やらがデスクを埋めていて、その手前にあるソファーに腰掛けた。



 ……今頃になって緊張してきたみたいで、手が小さく震える。


 落ち着き無くソワソワしていると。




ガチャ


「お待たせしたわね、優子さん」


 蓮くんのお母さんが白衣姿にメガネをかけて部屋に入ってきた。





「……忙しい中、お邪魔します」



 何故か、震えがピタリと止まった。