愛する人。




 月曜日。

 蓮くんは朝一で会議なので、いつもより少し早く家を出て行った。

 彼を見送り、私は会社に連絡をして休みをもらった。そしてそのまま支度をして、病院へ……『彼』が居た場所へ向かう。


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『優子はこの坂歩くと必ず息切れするよね』

『うるさいなぁ!大丈夫だもんっ』

『あははっ やっぱり二十歳過ぎると体力無くなるんだなぁ』




 今にも、『彼』の姿が見えそうなこの道。


 まだ元気だった頃の彼は、この道をよく散歩してた。
 その度に看護婦さんに怒られてたけど……。



「ふふっ」



 ……今こうして笑えるのは……

 記憶が薄れてるから?



 それとも―――…