愛する人。





 ……あと1センチが、もどかしい。




「壊して……?

 壊れてしまえばいい、私ごと。

 逃げ出さないように……私を、壊して――」



 私を掴まえる手が緩んだ時。
 私は蓮くんの首に、手を回した。




 ――彼が息を飲んだ。





 何度触れ合っても。


 何度確かめ合っても。


 絡み合う事が出来ても、

 溶け合う事がない、私達。




 全てを知ったら、

 溶け合える……?






 ―――その夜。


 蓮くんが眠りについた後、お母さんに連絡をした。