愛する人。








 あの空気で食事なんて出来るはずもなく。

 私達は失礼させてもらった。




 蓮くんは黙ったまま、車を走らせてる。


 私は先ほどのお母さんの一言が、頭から離れなかった。



『全てを知りたくなったら、
 私を訪ねていらっしゃい』




 蓮くんと私を繋ぐ秘密がある。

 お母さんは、それを知っている。





 それを知ったら――


 蓮くんが私に執着する意味も

 知ることが出来るの……?