愛する人。







「蓮、久しぶりだな。

 相変わらず仕事ばかりか?」




 柔らかく微笑むその姿は、蓮くんをロマンスグレーにした姿、そのまま。





「ああ、あなたが蓮の……。

 始めまして。蓮の父の九条 真澄です。


 蓮からあなたのお話は伺ってます。

 こんな不出来な男について来てくれて、ありがとう。
 妻も今日を楽しみにしてたんだ。

 どうぞ、仲良くしてやってね」



 お父さんはそう言って握手をしてくれた。