愛する人。






 私の謝罪の言葉に、彼は慌てて


「いや、俺が悪かった…!

 元々目はそこまで悪くないからメガネは必要ないんだ。

 ……ただ、優子さんだったから……」



 最後の方は小さな声になって聞き取れなかったけど。



「さあ、着きましたよ」


 蓮くんがさっきとは打って変わって明るい声で言ってきたから、私もそれ以上掘り下げなかった。


 ……もうこの話はお終いって事だよね。




 私達は車を駐車場に停め、ケーキ屋さんに入っていった。