「昔から勉強が出来て、男の俺から見ても格好良い自慢の兄です。

 今でも憧れてますよ。

 でも……優子さんは兄貴に惚れたらダメですよ?」



 最後の一言を、眉間にしわを寄せ嫌そうに言った彼に、


「ふふっ 大丈夫よ。
 よそ見する暇も無いから」


 笑ってしまった。





 ―――ヤキモチなんて。


 数ヶ月前は彼にそんな感情持たれるなんて思いもしなかった。



 可愛い弟だと思ってたのに……何時の間にか、私にとって『男』になってた彼。