――甘い…! 激甘だわっ!



 顔が赤くなるのを必死に隠し、玄関へと向かう。



 蓮くんが用意してくれたヒールを履き、玄関の鍵を締めながら、改めて緊張してる自分に気付く。


 ……手が震えて仕方ない…!



 なんとか鍵穴に鍵を通すと、その姿を見ていた蓮くんが噴き出しながらエレベーターのボタンを押した。





 マンションの駐車場に着くと、車の鍵を開け、私を助手席に座らせてから蓮くんも運転席に乗り込む。



「母の好きなケーキ屋さんに寄るので、優子さんの好きな物選んで下さいね」



 言ったと同時に車がマンションの駐車場を出て行く。