愛する人。





 それからはどんなに止めても聞く耳持たずに、鼻歌まで唄いながら会社に向かった。


 ……相変わらず大きいビル。


 まだ時間は19時過ぎの為、正面玄関は開いている。



「社長!」


 前から急ぎ足で来るのは……海斗くん。



「とにかく、すぐに社長室へ」


 後ろにいた私に気付くと、

「優子さんもすみませんでした。
 ご迷惑おかけしました」


「いえ…」
「こっちです」


 そっと帰ろうと離れると、蓮くんがすかさず逃がさぬよう腕を掴んで、そのまま無理やりエレベーターに乗せられた。