愛する人。





 眉間にしわを寄せ、睨むように携帯を見つめる蓮くん。



「……ちゃんと待ってるから」


 安心させたくて、手を握った。



「……そうか…」

「え?」



「優子さんも会社に来ればいいんだ!」



 そう言うと、憑き物が取れたようににこやかにハンドルを切る。





 ……何言ってるの?


 この人。