愛する人。





 本格的な荷物は土曜日に纏めるとして、今日から数日分の着替えやらを簡単に纏めて彼の車に乗り込んだ。




「ねえ、蓮くん。
 もう仕事は終わったの?」


 蓮くんは応えずに前を向いて運転してる。



 ……もしかして…


「まさか、勝手に抜けてきたんじゃ」

〜〜〜♪ 〜〜〜♪


「………」
「………」


〜〜〜♪ 〜〜〜♪





「蓮くん、電話」


「………」

〜〜〜♪ 〜〜〜♪


「ねえ、出なきゃダメだよっ」



 蓮くんは渋々車を路肩に止めて電話に出た。