愛する人。





「――いやっ!」



 倒れ込んだ私を仰向けにして蓮くんが私の上に乗る。


 暴れても男の人の力にかなうはずもなく、両手を頭の上で掴まれ私は身動きできなくなった。



「あれは、誰?」


 彼の瞳が私を捉えたまま。



「プレゼントなんて一緒に買いに行って……
 何考えてんの?」


「え…っ 見てた、の?」


 私の一言に、一層目をつり上がらせて、


「あんな奴にあなたは渡さない。……俺から逃げるなんて許さない!」



 今にも泣きそうな顔になったかと思ったらまた私を見て、


「……二度と逃がしてやらねぇよ。
 俺の前から逃げ出せないように、脚をもぎ取ってやる。その眼も二度と誰も映せないように……」


 言って、そっと、私の頬に指を滑らせた。