……大人だよな。こいつは。
女一人居なくなっただけで気が狂ったように理性を失う俺なんかと違って、いつでも冷静だ。
海斗なら……彼女を穏やかに、静かに愛する事が出きるんだろうな。
「そんなに彼女じゃないとダメなのか?」
「……彼女が俺の前から消えただけで気が狂いそうだ。
誰か別の奴のところにいるのか……それとも、ただ、ただ、俺が嫌いなのか…。
例えそうだとしても――俺は彼女が、欲しい…っ」
「……そうか…。
なら、仕方ない。
俺はお前の秘書であり親友だ。女一人に骨抜きにされて仕事出来なくなるのも困るし、女一人の為に死なれても困るしな。
俺が彼女を探す。
その代わり、お前は明日からきちんと仕事をしろ。お前の代わりは誰にも出来ないからな」
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