それは雪の降る、クリスマス・イブの事。
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「ねぇ、優子……」
「ん?」
クリスマス位は二人で過ごしなさいと、毎日病院に来てた彼のお母さんが私に言ってくれて。
今日は久しぶりの二人きり。
私は有給全てを使い、1ヶ月の休みを貰った。
彼は婚約者と言ってあるし、事情は昔から話してあったので、会社も快く許してくれた。
彼はもう、体力の限界にきていて。起きあがる事も出来ない。
「……こっちに、おい、で」
弱々しく。
それでもいつものように微笑んで、私を呼ぶ。
……でも。
その手はもう、手招きをしない。
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