愛する人。





「え…っ?
 私のこと好き、だったの?」



 ……知らなかった。今まで。



 私の問いに彼は優しい笑顔で、


「――ずっとね。
 入学式に桜をずっと見つめてた君の横顔に……一目惚れだった。

 同じクラスになりたいと思ったけど……まさか2年になって優子が告白してくれると思わなかったから。

 死んでもいいって、本当に思った」


「……両思いになれたのに……死んだら……ダメでしょう?」



 声が震える。




 そんな私を見て、微笑むあなた。