愛する人。





 彼のベットの端に座り、下を向く私。


 彼はそんな私に慣れてるから。後頭部を大きな筋張った手で包んで、啄むようなキスをする。



「んっ」


 ……深くなるキスに追い付けなくて、彼の袖口を引っ張る。



「――っ はぁ…はっ」


 彼は私の頭を優しく撫でながら、


「抱きしめてあげたいけど、これ以上……力が入らないんだ。

 ……ごめんね」








 その日は何故か、昔話に花が咲いた。



「……あの時、優子が僕に告白してなかったら…僕からするはずだったんだよ?」