「ごめん。部屋の片付けしてたら時間かかっちゃって」 マフラーとコートをクローゼットに仕舞いながら、嘘を、ついた。 「……そう」 彼は気付いてたかもしれない。 私の目が、赤かった事に……。 「優子……」 振り向くと。 彼がメガネを外して手招きをした。 途端に顔が赤くなる私。 ……彼がメガネを外すのは、キスをする時の合図だから。 .