「貴方のこと呼んでるんじゃ…」
どう考えても、今ここには私達二人きり。明らかに彼の事を呼んでる。
「…チッ」
え…っ!今舌打ちしたよね?この人っ!
彼をちらりと横目で見ると、明らかに不機嫌な顔であちらを見てる。
あまりの表情の変わりように私が彼を見ていると、いきなり私に向き直り、
「もう暗いですからお送りします。こちらへどうぞ」
にっこり笑い、有無を言わせず私の腕を掴みそのまま車がある駐車場まで向かった。
すでに外は真っ暗。いつの間にか雪はやんでいた。
彼の車まで歩きながら腕時計を見ると、ちょうど18時になろうとしてた。
.


