「それはすごいね。ご苦労様」
幸田守はどこかふに落ちない態度だった。
それにしても、先ほどからレイカのひなに対する密着度が並大抵ではない。
「はい。ひな、あーん」
ケーキが乗ったフォークを口に運んでいる。
そんな光景に少々ひきぎみな俺に幸田守が言う。
「ひなはね、俺たちの子供だから」
「はい?」
彼の言葉に俺ははてながたくさんでた。
「何を言っているの?守。普通の人が聞いたら変な誤解をするわよ。ちなみに、ひなはね、私たちの大切な子なの」
「はあ、幸田先輩と対して説明が変わらないですね…」
俺は思わず言ってしまった。
「あら、守よりは、ましよ。あえて言うのならば、私たちは十年以上の仲なのよ」
十年以上?
なら、姉さんの事を知っているかもしれない!
「そうなんですか、ずっとこの学園に?」
「えぇ、そうよ!幼等部からね」
「なら、峰宮后子って知ってますか?」
ガシャーン!
俺が姉さんの名前を口にだすと、食器が割れた音がした。
「あらら」
幸田先輩は落ち着いた素振りでかけよる。

