今宮はじめは、セナにゆっくり近づくと、隣に腰を下ろした。
「何かあったのかい?」
「何も…」
その返事を聞いてはじめは、ため息をついて言った。
「君がここに来るときは、いつも悩み事があるときと、相場決まっているんだけどな」
「うるさいな!」
ほっぺを膨らませながら、拗ねたように顔を背ける。
はじめは、そんなセナの姿を見て、ガバッと抱き着いた。
「もー!セナは、可愛いな!」
彼の勢いでセナはバランスを崩して二人は倒れ混んだ。
「はじめ、重いよ」
セナが細々と言うと、はじめはなお抱き着いたまま離れようとはしなかった。
「いいんだよ。君はこうしていないと、どこかに行ってしまうんだから」
彼の言葉にセナは口を紡いだ。
「悩みがあるなら話を聞くよ」
はじめは優しく言った。

