「いえ、俺も一緒の聖戦クラスです。」
「あら、そうなの?てっきり聖歌クラスだと…。お相手は決まっているの?」
「いえ、ペアは決まっては…」
「そう。なら…」
先生が何かを言おうとしたときセナは彼女の服を引っ張った。
「うん?ああ、冗談よ」
「そう。ならいいお相手が見つかるといいわね」
先生はそう言うと、セナを連れて部屋を出た。
一人取り残された俺は何だか居心地が悪くその場を後にした。
寮に戻るも、することはなく、ペアのいない俺は部屋では独りっきりだった。
先程のペアとは、任務を続けて引き受ける事の多い聖戦者たちの傷を聖歌者が癒すというシステムだ。
特には歌で癒すのだが、稀に楽器での治癒もある。
聖歌クラスと聖戦クラスは真逆の位置関係にあり、音楽クラスと体育クラスみたいな感じだ。
そんな聖戦クラスでも任務に就けるのは極僅かなぐらいで後はサポート役に撤しているか学校で厳しい練習に勤しむ。

