『あれ、タクヤ、他のみんなは?』

「んー…先にリハしてるって」

『まじか。んじゃ俺らも行くかー』

「あ、ところで亜希」




ケースからギターを取り出そうと立ち上がった俺を、タクヤが引き止めた。




『なに?』

「最近彼女とどーよ」

『あー…別れた。っていうか付き合ってなかったんだけど』

「ははっ。それ何人目?」

『さぁ?いちいち数えてないからね』

「亜希ってホント、女のことになるとヒドい男だよな。たまには相手の気持ちも受け取ってやれよ?」




タクヤはいつも、俺のこと気にしてくれてる。
女関係のこともメンバー1わかってる。




でもさー、タクヤ?

俺は気持ちは受け取ってる。
来るもの拒まずー…っていうのかな。

愛を貰うけど、与えないだけ。




ただ、それだけ。