海岸沿いの駐車場。

 後30分もすれば、夕日が海に溶け始める。真冬の午後。真っ赤な左ハンドルのクーペ、その車のボンネットの前方でひとりたたずむ女性。


 僕は10分ほど前に、ここへ車を止めた時から、彼女の後姿が気になって仕方なかった。