Faily Tale


つう、と彼の口からあたしの血が漏れる。

そして、ごくん、とそれが飲み干された。

開放されたが、フラッとした。

貧血・・・か。

ふと彼の方を振り向くとひどく傷ついたような顔をしていた。

「月姫、ごめ・・・」

「気にしないで。あたし、リズが吸血鬼だったなんて知らなかった。」

「騙していたわけではない。

ただ、最初に月姫に会った日、俺は吸血鬼にかまれた後だった。」