Faily Tale


「リズ、入っていいよ。」

こくっと頷くと彼はシャワールームに向かった。

彼は基本的にあまり話さない。

でも、任務のときだけはよく喋る。

よくって言っても人並みだけど。

彼の名は奏夢(リズム)。

あたしの名は月姫(カグヤ)。

午前7時。

今日も寝れなかったじゃないか。

彼が出てくる前に栄養補給だけはしないとな。

ハンターであるあたしが人間の血を欲するのはまずい。

ポケットの中からラムネのようなものを取り出す。

それを口に入れた。

さあ、今日も頑張るか。

ドタン

シャワールームから音が漏れた。

リズは何してんの。

そして10分。

まだ彼は出てこない。

心配になって覗いてみた。

「リズっ!?」

そこに彼は倒れていた。