Faily Tale


「着地。」

司さんを送っていった帰り。

あたしたちの前に背が高くて細身の男の子、

司さんが現れた。

「司さん、どうしましたか?」

「・・・っ!」

司さんは驚いたような顔をしてあたしを見た。

「司に会ったのですか?」

「えっ?」

「チカゲ、ちゃんと見な。司さんじゃないよ。」

・・・本当だ。

頭領失格だ。

「会いました。」

「そうですか。俺に協力してくれませんか?」

「そういうのはきちんと依頼として・・・」

ミカゲが割ってはいる。

「そうですよね。すいません。」

「いいですよ。」

あたしが言った。

「チカゲ、ちょっと・・・」

「別にいいでしょ。個人的な用事なんだろうし。」

「まあ・・・」

「ありがとうございます。では、また後日。」

彼は来たとき同様何かを呟きながら屋根を昇っていった。

「あれ、忍者なんじゃ・・・?」

ミカゲがぼそっと言った。