あたしは感情をなくした人形みたいだった。 何もかもが非現実的で。 「そこにもう1人いるのは分かってる。」 そいつはこっちに近づいてきた。 ここから動くな、と今は亡き人に言われたあたしは恐怖から動けなかった。 腰から吊っていた道具はいつも重く感じていた。 でも、その重ささえも気にならない。