物陰から抱きかかえられたままそれをずっと見ていた。
怖かった。
まだ幼かったあたしにはそれしか分からなかった。
おじいちゃんが、
おばあちゃんが、
お姉ちゃんたちが、
お姉ちゃんのパートナーが、
お兄ちゃんたちが、
お兄ちゃんのパートナーが、
お母さんが、
お父さんが、
1週間のうちにいなくなった。
みんな、あたしの兄弟はパートナーを守りながら死んでいった。
「絶対にここ、動くなよ?」
とお兄ちゃんのパートナーが念を押し、彼らも出て行った。
パートナーがすぐに怪我を負い、それをかばいながら戦って。
決着をつけるのに時間はいらなかった。

