「姉ちゃん、がんばってよ。海(カイ)もね。」 視線をあたしの足元にずらす。 「朔弥、やめなさい。」 「だって・・・」 「聖史、行こう。」 「ん。」 朔弥の言葉を簡単に遮って教室に向かった。 さっき彼が海、と呼んだもの。 ふれてはいなかったけど確かにあたしの足元にいる。 カピバラのような風貌の生物。 しかしこいつには難点がある。 一般人には見えないことだ。