Faily Tale


「五十嵐チカゲ。見つけた。」

「ミカゲ・・・?」

いつの間にか屋上で寝てしまったらしい。

「心配したんだから。」

「今日、何日?」

「13日。」

「明日はお父さんの命日だね。」

「そうだね。」

「15日はお母さんの。」

「うん。」

「16日は1番上のお姉ちゃんの。」

「うん。もうやめな。」

「うん。」

あたしには家族がいた。

お父さんとお母さんと、おじいちゃんとおばあちゃんと兄弟がたくさん。

6男3女。

その末っ子にあたしは位置する。

でも、もう誰もいない。